削り出し・試作

Trial Production

技研精機株式会社

削り出しとは

 削り出しとは、製品より大きな材料から不要な部分を取り除き目的の形にする製法です。接着や溶接等の手法を使用しないため、破損しにくく強固な製品となります。
 金型の製作を必要としないため、短納期で製品の製作が可能であり、主に試作品や少量の生産に使用されています。
 材料が大きいほど材料費が高額になり除去する体積も増すためコストが高くなる傾向にあります。また、材料の硬度が高くても削り難くなるため、コストが上がります。
 製品一個一個を削り出すため量産には向きませんが、品質や精度など型成型では不可能な付加価値があり、一点モノの高級品として扱われることもあります。

削り出しと3Dプリンタ

 近年では3Dプリンタが発達し、金属製品も3Dプリンタで製作できるようになってきましたが、積層時間の問題・精度の問題・面粗度の問題・材料の問題・巣の問題・耐久性の問題などが発生し、切削加工に取って代わるものではございません。
 3Dプリンタで積層する時間と、切削加工で削り出す時間を比べた場合、どちらが早く製品を製作可能かは、形状や大きさによるところが多く一概には言えません。切削加工では工具の準備や加工プログラム作成などの準備時間が必要ですが、3Dプリンタの場合は積層プログラムを比較的短時間で作成可能なため、製品1個の場合は3Dプリンタが早く、2個以降は削り出しが早いという現象も起こりえます。
 ただし、精度や面粗度に関しては圧倒的に切削加工が上回っています。3Dプリンタの場合、熱で材料を溶かしながら積層するため、局部的な体積の膨張収縮が起こりやすく、内部に応力が残留しやすい製品となります。そのため、薄物などではその応力によって変形してしまい、精度を保つことが困難となります。また、面粗度に関しては積層するピッチを細かくしたとしても、鋳造のようにどうしても表面がざらつく製品となってしまいます。
 そのような3Dプリンタや鋳造で製作した精度の劣る製品でも、外周や必要部分のみを切削加工し、精度や品質を向上させることが可能です。
 例えば切削加工では加工できない内部の形状を3Dプリンタで形成し、その他の面や穴を切削加工するといった手法によって設計の自由度が増し、今まで不可能とされてきた製品も製作可能となってきました。
 3Dプリンタと削り出し切削加工、それぞれの利点を吟味し兼ね合わせることが今後のモノづくりでは重要となります。

 技研精機ではアルミや樹脂はもちろん、鉄系金属・高硬度材・耐熱合金・ステンレス系金属等様々な材料の切削加工を得意としており、様々な形状を削り出すことが出来ます。3Dプリンタや鋳造でないと製作できないと思われる形状も5軸加工などの技術で加工できる場合もございます。
 物理的に加工工具が届かなく、加工不可能な形状もございますが、弊社から形状変更などのご提案をさせて頂ければ、コストを抑え納期を早めることができる可能性もあります。
 切削加工とはどのようなものか?に関してはこちらをご覧ください。

技研精機特製 削り出しパター (加工例)

削り出しパター

削り出しパター

インコネル・削り出しパター

インコネル・削り出しパター

 ゴルフにおいてボールをカップに導くパターは繊細なコントロールが必要となり、パター自体の形状や重心によってもその操作性は全く異なります。
 ゴルファー個々に合ったパターは千差万別であり、パターがボールに当たる感触一つとっても好みは様々です。
 同じ形状のパターでも材質が違うだけで、弾性率・硬さ・重さが異なり、様々な要因によってパターの特性・打ち心地が変わります。

 技研精機では通常では考えつかない耐熱合金(インコネル等)の削り出しパターも作成することが可能です。
 削り出し品は一般的に素材の内部組織が均一な圧延材を材料とするため、鋳造・鍛造製品のような密度のバラツキが発生しづらく、不確定要素が少ないことが利点となります。
 パターのような品物は常に高精度さが求められる機械部品とは異なりますが、技研精機の製品に対するこだわりで設計モデルと0.1mmも誤差のない削り出しパターとなりました。

削り出しパター・切削目あり

削り出しパター・切削目あり

世界に一つの削り出しパター

世界に一つの削り出しパター

 また、あえて切削目を残したり、熱処理・表面処理等を施すことによってもパターの特性は変わります。

 世の中に一つしか無い、自分だけのパターとしていかがでしょうか?